「トゥーランドット」Turandot/Opera Australia
氷のように冷たい心を持つ姫が愛に目覚める
「トゥーランドット」はプッチーニの最後の、未完に終わったオペラ。第3幕「リュウの死」を書いて他界した後、弟子のアルファーノが残りを完成させた。舞台は中国の北京。絶世の美女トゥーランドット姫は、求婚者に3つの謎を解くことを求め、できなければ首を刎ねてしまうという冷酷な姫。その姫にひと目惚れしたダッタンの王子カラフが謎を解き、姫も心を開き、愛を知るという歌劇だ。
「トゥーランドット」の一番の聴きどころは、第3幕の王子カラフが歌うロマンチックで雄大なアリア「誰も寝てはならぬ」。一番の見所は第2幕、王子カラフが3つの謎を解いていく場面だ。ほかにも、ピン、ポン、パンの3人の大臣がおもしろおかしく演じる幕間劇や、見るからに心の冷たそうなトゥーランドット姫のアリア、そして王子カラフを密かに慕う奴隷のリューの叙情的なアリアも素晴らしい。
今回のオペラ・オーストラリアのシドニー公演は、グラハム・マーフィーが1990年に演出したリバイバル作品であるが、ダンスの巨匠として知られる同氏は舞踏の振り付けも担当し、16年という歳月を感じさせない斬新な舞台に仕上がった。クリスチァン・フレドリクソンによる舞台セットと衣装デザインも、中国の話にしては日本的な衣装が多く見られ和中折衷という感はあるが、カラフルで想像力にあふれている。
トゥーランドット姫はアメリカ人ソプラノ歌手のジェニファー・ウイルソンが演じる。姫の冷酷な心を力強い声量で歌い演じるウイルソンは、ひときわ存在感を感じさせる。姫にひと目惚れした王子のカラフはデニス・オニールが演じる予定であったが、突然の病気のため、7月公演を韓国人テノール歌手のドングワン・シンが急遽代役、大役を見事に務めた。奴隷のリューは同じく韓国人でソプラノ歌手のヒエ・セオング・クヮンが演じ、可憐で心やさしい娘役をこなす。
美しいアリア、大合唱と大管弦楽を駆使した「トゥーランドット」。豪華で贅沢な舞台のシドニー公演はまたもや大盛況で公演中だ。
■ストーリー
●第1幕 北京の城門
役人が、トゥーランドット姫の花婿になるには、王子であることと、3つの謎を解かなくてはならないこと、そして謎を解けない王子は斬首の刑になると告げる。3つの謎を解けなかったペルシャの王子が処刑される時、トゥーランドットが現れる。その美しさに惹かれたダッタンの王子カラフは謎解きに挑戦。敗戦のため、逃亡の身にあるダッタン王のティムールと女奴隷のリューはカラフを懸命に止めるが、カラフの決意は固く、挑戦のドラを3回叩く。
●第2幕 天幕
謎解きを見物しようと集まる町人たちの前で、トゥーランドット姫による謎が始まり、カラフは見事に3つの謎を次々と解き明かす。謎を解けば姫と結婚できる約束。しかし姫は結婚を拒む。皇帝である父に訴えるが、誓いは守らねばならぬと拒否される。そこでカラフは姫に謎を与え、夜明けまでに自分の名前が分かったら命を捧げると申し出る。
●第3幕 宮廷の庭
役人たちは夜も寝ずにカラフの名前を調べている。父王と奴隷のリュウが捕えられ、拷問にかけられる。忠実なリュウは名前を明かすくらいならと、兵士の短刀を奪って自殺をする。その光景に、姫の心が溶け始める。カラフは姫に接吻をし、そっと自分の名前を告げる。そして群集の前に現れたトゥーランドットは、「彼の名前が分かりました。その名は愛」と高らかに告げる。
information
▼会場:Sydney Opera Theatre, Opera House ▼日時:[夜の部(7:30PM開幕)]8月1日、8日、14日、17日、23日、26日、29日、9月2日、6日、9日、12日[昼の部(1PM開幕)]8月5日、12日 ▼料金:プレミア席$220、A席$177、B席$125、C席$96、D席$52 ▼予約Tel: (02)9250-7777(Sydney Opera House)/1300-136-166(Ticketmaster)
★Web: www.opera-australia.org.au
