「The Drawer Boy/スケッチ・ボーイ」
隠された事実が1人の少年の出現で明らかに
「The Drawer Boy/スケッチ・ボーイ」
Ensemble Theatre 制作
カナダの農村でひっそりと暮らす2人の農夫の生活に、1人の美術学生が一緒に住むことにより、過去の秘密が暴露される『スケッチ・ボーイ』は、戦争の悲劇、恋愛、愛の破綻、強い友情の絆を鮮烈に描いた。サンドラ・ベイツ演出によるシドニー公演は、アンサンブル劇場の小さな舞台で3人の登場人物が人間ドラマを展開する。
カナダ人人気劇作家、マイケル・ヒーリー作。初演は1999年のトロント劇場。カナダで数々の賞を受賞した後、2001年にはアメリカのシカゴで上演を開始し、同年の『タイム』誌による演劇トップ・テンにランキングされた。今回のアンサンブル劇場での公演はシドニーで初公演となる。
元気に農業を営むモーガン(Daniel Mitchell)は、精神不安定で記憶喪失症のアンガス(Mark Kilmurry)と2人でひっそりと生活している。外で農作業をするモーガン、彼の手伝いをしながらパン焼きを得意に暮らすアンガス。そこに、俳優の卵で新作のリサーチをするために農場を訪れた若いマイルズ(Adriano Cappelletta)が居候を始める。マイルズの出現により、今まで平穏に暮らしていたモーガンとアンガスの生活が次第に変化していく。2人の話をスケッチし始めたマイルズは、過去を言いたがらないモーガンと口論することもあったが、マイルズは2人の生活を劇化して舞台で演じた。その劇を見てアンガスは喜ぶが、しかしモーガンはかたくなに口を閉ざす。
劇に描かれたのは戦時中の若いアンガスとモーガン。当時2人はロンドンにいて、それぞれイギリス人の恋人がいた。爆撃に遭ったアンガスは一命は取り留めたものの、記憶力を失ってしまう。終戦を向かえ、アンガスとモーガンは恋人2人を連れて帰国し、ダブル結婚。しかし、妻たち2人は交通事故に遭い、事故死する…。
劇を見た後、アンガスは妻たちの墓はどこにあるのかとモーガンに迫る。モーガンは仕方なく、アンガスの看病に疲れた妻はイギリスへ帰ることを決意して、親友であったモーガンの妻とともに去ったと説明する。アンガスは、モーガンが自分のために愛する妻を失っただけでなく、さらにそれからずっと自分の面倒をみてくれたことを知り、愕然とする。
information
▼会場:Ensemble Theatre, 78 Mcdougall St., Kirribilli NSW
▼上演:12月1日8:15PM、2日1PM・5PM、3日5PM・8:30PM、5日2PM、6日8:15PM、7日11AM、9日5PM・8:30PM、10日1PM・8:30PM、11日8:15PM、12日2PM、13日8:15PM、14日11AM、16日5PM・8:30PM、17日1PM、18日8:15PM、21日11AM、23日5PM・8:30PM
▼料金:$36〜$59
▼予約