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La traviata/椿姫

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 「椿姫」は高級娼婦のはかない恋を描いたヴェルディの傑作。歴史物語や英雄伝をオペラ化したヴェルディが「トアヴィアータ」(道をはずした女)を描いた叙情的なオペラ。パリの裏社交界の花形歌姫で恋多きヴィオレッタが、由緒ある家系の好青年アルフレードと恋に落ちるが、彼の父の願いで身を引くという、純粋な愛に生きる悲劇を描いた作品。印象的な暗い前奏曲に始まり、「乾杯の歌」の合唱、ヴィオレッタのアリア「ああ、そはかの人か」、「花から花へ」、「過ぎ去りし愛の日々よさらば」、2重唱「パリを離れて」など、情熱的で美しい旋律と歌が散りばめられている。
 今回のシドニー公演は1994年に初演されたエリジャ・モシンスキー演出によるプロダクションのリバイバル。第1幕のヴィオレッタとアルフレードが出会う華やかなパリの社交界、第2幕の2人が住むパリの郊外の別荘、そして第3幕の離ればなれになり病床にいるヴィオレッタのがらんとしたアパート。対照的な場面の雰囲気を生かした演出が印象的で、13年目を迎えるプロダクションとは思えない新鮮さを感じる。歌姫ヴィオレッタはロシア出身のソプラノ歌手、エルヴィラ・ファツクホヴァが大胆にそして可憐に演じる。声、演技、美貌に恵まれた彼女は第1幕から最後まで舞台に立ちっぱなしの大役を見事にこなす。

■ストーリー
 パリの裏社交界。ヴィオレッタ(Elvira Fatykhova)のサロンでは貴族たちと高級娼婦が華やかに夜会を楽しんでいる。その中にヴィオレッタを真剣に愛するアルフレード(Rosario La Spina)がいた。ヴィオレッタは彼の気持ちに動かされ、やがて、2人はパリ郊外に別荘を借りて同棲を始める。裕福な家庭で育ち生活力のないアルフレード。ヴィオレッタは隠れて財産を少しずつ処分していた。ある日、アルフレードの父、ジェルモン(Warwick Fyfe)が現れて、家の名誉のために息子と別れるようヴィオレッタに嘆願する。真実の愛のために身を引いたヴィオレッタは、この時すでに肺の病におかされていた。やがて財産も売りつくし貧しいアパートでの生活。女中のアンニーナ(Rosemarie Arthars)に看病されて、死の床に伏している。そこにアルフレードとその父ジェルモンが現れる。父から真実を知らされたアルフレードが戻ってきたのだ。2人で生活を始めようと抱き合い、ヴィオレッタはその喜びに最後の力を振り絞って立ち上がるが、力尽きて愛するアルフレードに抱かれて息絶える。

指揮は Giovanni Reggioli。歌イタリア語、英文字幕。上演2時間50分、休憩2回。

information
▼上演会場:シドニー・オペラ・ハウス・オペラ・シアター
▼料金:プレミアム席$228、A席$183、B席$130、C席$99、D席$54
▼Web:
▼上演日:
2月6・9・14・17・24・28日、3月2・7・10日7:30PM〜、2月20日8PM〜、マチネ2月3日1PM〜