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Opera Australia Rabbit Hole/ラビット・ホール

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心の傷をウィットに富んだ表現で昇華

 2006年2〜4月にブロードウェイで上演された「ラビット・ホール」は、07年のドラマ部門ピューリツァ賞を受賞した、デイビッド・リンゼイ=アベアーのドラマ作品。ある家庭に起こった不幸、心の葛藤を、家族や友人たちの交流を通して描く。ブロードウェイのヒット作品を多数上演するアンサンブル劇場の最新作であり、人間ドラマには定評がある同劇場のアーティスティック・ディレクター、サンドラ・ベイツが演出を手掛けている。
  比較的小さな劇場を目いっぱいに活用した2階建ての舞台セットで、キッチン、居間、そして子ども部屋を舞台に物語は繰り広げられ、観客はキャストに親近感を抱かずにはいられない。オーストラリア人人気女優のジョージー・パーカーを中心に息の合ったキャストの演技と、緊迫感の中にもユーモアを含んだ人間ドラマは、日常生活で起こり得る喪失と自責、深い悲しみを丹念に描き、最愛の人がいない世界での生き方を問う。

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■あらすじ
 ベッカ(Georgie Parker)とハウイ(Mark Kilmurry)夫婦の幸せな家庭は、4歳の1人息子の交通事故死により一変。幼い息子を失った悲しみから夫婦の間には溝が生じ始めていた。夫のハウイは悲しみの中でもなんとか夫婦関係を修復しようと努力するが、ベッカは深い悲しみから抜け出せないでいる。
  ベッカの母ナット(Lorraine Bayly)もまた、息子であるベッカの兄が麻薬中毒死したことの悲しみを抱えている。一方、自由奔放に生きるベッカの妹リジー(Queenie van de Zndt)は、短い恋愛で妊娠したことを告げ、家族をうろたえさせる。そんな中、夫婦の息子の死を招いた自動車を運転していた若者、ジョナサン(Jonathan Prescott)が訪ねて来る。家族との感情のやりとり、若者との面会によりベッカは次第に深い心の傷が癒されていくのを感じる。

▼会場:アンサンブル・シアター(Ensemble Theatre, 78 McDougal St., Kirribilli)▼上演日時:〜9月22日、火〜金8:15PM 土5PM、 8:30PM 日5PM 木11AM
▼料金:$37〜$61 ▼予約
▼Web: www.ensemble.com.au