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The Marriage of Figaro/フィガロの結婚

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 モーツァルトの作品の中でも今でも絶大な人気があるオペラ「フィガロの結婚」。原作はフランスの劇作家、ボールマルシェ。当時の身分制度を否定した「フィガロの結婚」は登場人物の地位や性格、行動がモーツァルトによって見事に音楽と歌で結ばれた、楽しいオペラ・ブッファ。愛と性を複雑に入り混ぜたたわいもないストーリーと、モーツァルトのよく知られた旋律と歌がたっぷりの魅力あふれる不朽のオペラだ。
 1786年ウィーンで初公演された「フィガロの結婚」。オーストラリアでも異なるプロダクションで数多く公演されているが、今回のシドニー公演は2001年に初公演されたプロダクションのリバイバル。シドニーのベルヴォア・ストリート劇場のアーチスティック・ディレクターを務めるニール・アームフィールドによる演出で、18世紀のストーリーを洗練された舞台と衣装デザインで目を楽しませる。特に大きなカーテンを大胆に活用した舞台は斬新。登場するオペラ歌手は笑わせる演技力と歌に優れたキャストが勢揃い。夫人との愛にさめて、すきをみては小間使いのスザンナを狙うよこしまな伯爵や、性の欲望を抑えかねる小姓のケルビーノ、伯爵の愛を失って悲しむ伯爵夫人、そして一刻も早く結婚式をあげたい伯爵の従僕フィガロと恋人のスザンナ。恋愛でもつれる伯爵邸で起こった1日の出来事を歌と演技で愉快に表現する。

■ストーリー
 セビリヤに近いアルマヴィーヴァ伯爵邸。伯爵(Jose Carbo)の従僕フィガロ(Joshua Bloom)は伯爵夫人の侍女スザンナ(Tiffany Speight)との結婚の準備に忙しい。伯爵はなんとかスザンナをものにしようとしているので2人の結婚には同意しない。小姓ケルビーノ(Sally-Ann Russell)は女なら誰でも迫りたい年ごろ。「自分で自分がわからない」と歌う。伯爵はそんなケルビーノに対して妻の伯爵夫人にも迫っているのではないかと、軍隊に送り出す命令を出した。「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」とケルビーノを笑う。夫の愛を失って嘆く伯爵夫人(Leanne Kenneally)は「愛の神よみそなわせ」と悲しむ。伯爵夫人にお別れを言いに来たケルビーノは「恋とはどんなものかしら」と歌う。
 フィガロは伯爵夫人とスザンナの協力を得て、伯爵を罠に陥れ、2人の結婚を承諾させるようにした。ところがその準備をしている時に伯爵が突然と現れて、あやうく発覚寸前。それを逃れたと思ったら、フィガロにもうひとつ難関が待っていた。昔、女中頭マルチェリーナ(Adele Johnston)に金を借りて、返却できない折には結婚をするという証文に同意していたのだ。
 医師のバルトロ(Jud Arthur)と組んだマルチェリーナは裁判でフィガロの体にあざがあることを知り、フィガロが生まれて間もなく離ればなれになった息子であると大喜び。バルトロとマルチェリーナの2人も同時に結婚式をあげる決心をする。
 伯爵を懲らしめる策略はフィガロの知らないところで計画通り実行され、伯爵夫人とスザンナは「手紙の二重唱」を歌う。暗闇の密会で伯爵は伯爵夫人扮したスザンナに愛をささやく。伯爵夫人はその場をうまく逃げて、伯爵は木陰に隠れる。伯爵夫人がスザンナになっていると知らないフィガロは、伯爵が伯爵夫人扮するスザンナを口説く様子を見て女を信じられなくなり「よく目を開けて見ろ」と歌う。そこで彼はスザンナ扮する伯爵夫人に言い寄り浮気を持ちかける。スザンナはそんなフィガロに怒るが、「声ですぐ分かった」と説明されて、2人は仲直り。そこに伯爵が現れ、伯爵夫人の衣装を着たスザンナは、スザンナを伯爵夫人と疑わない伯爵に責められる。伯爵は絶対に許そうとしない。そこにスザンナに扮した伯爵夫人が現れて、初めてすべてを悟る伯爵。伯爵は夫人に許しを請い、フィガロとスザンナの結婚を許可。最後は全員がハッピー・エンドの大合唱。
 
指揮はAlexander Briger。歌イタリア語、英文字幕。上演3時間、休憩1回。

information
▼上演会場:シドニー・オペラ・ハウス・オペラ・シアター
▼料金:プレミアム席$228、A席$183、B席$130、C席$99、D席$54
▼Web:
▼上演日:2月2・7・16日、3月17・22・29・31日7:30PM〜マチネ2月10日、3月24日1PM〜